格安SIMにはどれも得意不得意がある。通信速度が安定している代わりに月額料金が高かったり、月額料金が安い代わりに通信速度の安定性はイマイチだったりするものだ。
マイネオはサービスが豊富な格安SIMである。例えば、
・長期利用者向けのサービス「ファン∞とく」
・ギフトコードでパケットをユーザー同士ががやりとりできるパケットギフト
・フリータンクで余ったパケットをユーザー同士がやりとりできる
・家族割や複数回線割
・ドコモ回線とau回線、二つのプランを展開
・20GBや30GBの大容量プラン
など、豊富なサービスが展開されている。
しかしその代わりに、マイネオは大きく分けて3つのデメリットや注意点を抱えている。それは、
・通信速度
・使用する端末
・諸々のサポート
主にこれらに関するものだ。今回は、マイネオを検討している人に向けて細かいデメリットについて解説していく。
マイネオには確かに魅力的なサービスがたくさんあるが、けっして万人向けというわけではない。
今回挙げていくデメリットを踏まえつつ、自分に合っているかじっくり検討してみることが重要だ。
マイネオは、通信速度が不安定
マイネオのデメリット・注意点としてまず挙げられるのが、通信速度が不安定であることだ。
マイネオは通信速度の安定のために、毎月複数回にわたってネットワークの増強を行っている。
しかしマイネオユーザーの増加していく勢いは、ネットワーク増強をも上回っている。そのためネットワークを増強しても、通信速度はなかなか安定していかないのが現状だ。
通信速度が不安定だと、動画再生やアプリのダウンロードにおいて不利
マイネオは、au回線のAプラン、ドコモ回線のDプラン共に通信速度がキャリアに比べて不安定である。
結果としてどんな用途に対して問題が生じるかというと、主に通信量が多くなりがちな「動画再生」と「アプリのダウンロード・更新」における読み込みにおいて長い時間がかかる。
通勤や通学中や休み時間など、空き時間に暇さえあれば動画を見たり、アプリをダウンロード・更新したりしている場合は要注意だ。
マイネオに乗り換えた結果、ストレスを感じる場面が多くなってしまうだろう。
お昼や夕方~夜にかけて通信する機会が多いなら、要注意
マイネオも含めて、格安SIMの通信速度が不安定になりやすいのは平日のお昼や夕方~夜にかけてだ。
理由は簡単、これらの時間帯は休憩時間や仕事・学校終わりで、多くの人が自由になるからだ。自由な時間では、スマホを使う人が当然増える。
これらの時間帯になると動画やアプリのダウンロード・更新はもちろん、日によっては音楽のストリーミング再生やネットサーフィンも含めて読み込みが長くなりがちだ。
「自分はそのくらい耐えられる」と思っている人ほど、実際にこの状況になった時にイライラさせられるものだ。特にドコモなどの大手キャリアから乗り換えた場合、あまりの差に愕然とさせられるかもしれない。
筆者も一度「自分は大丈夫だろう」と思い、他の通信速度が不安定なタイプの格安SIMをメイン回線として使ってみたことがあるが…半月でギブアップした。
お昼や夕方~夜といった時間帯にスマホを使う機会が多いなら、悪いことは言わないので通信速度面で定評のある格安SIMを契約するべきだ。
せっかく大容量プランを契約しても、速度が遅いと活かせない
マイネオには20GBや30GBの大容量プランがある。
しかしこれらを契約しても、自分が使う時間帯に通信速度が遅かったらなかなかデータを読み込めないので、せっかくの大容量を活かせない可能性がある。
これもまた、マイネオの通信速度に関連したデメリットと言えるだろう。
マイネオは使用する端末に注意が必要
マイネオは、ドコモやauで購入した端末を使い回せる。
動作確認が行われている端末の数はとても多く、自分が所有する端末をマイネオで使えるか確認しやすいことはメリットだ。
ただし使用する端末について、色々注意点がある。マイネオに乗り換える予定なら、確認しておかなければいけないだろう。
端末を新規購入して2年間使う前提なら、Y!mobileやUQ mobileの方が有利
マイネオは端末販売にも比較的積極的で、毎月のように新端末を発売している。またAmazonギフトがもらえるなどの、豪華なキャンペーンも定期的に行われている。
しかしながら、割引率はY!mobileやUQ mobileに比べるとどうしてもイマイチだ。Y!mobileやUQ mobileは最新端末を実質100円程度で買えることもある。
2年間使う端末を新規購入するなら、マイネオよりY!mobileやUQ mobileを選んだ方が安上がりだ。
ただし欲しい端末がマイネオでしか売っていないなら、マイネオを選んでも良いだろう。
キャリアで購入した端末を使い回す場合、ソフトバンクのAndroidユーザーは注意!
マイネオではソフトバンク回線のプランが提供されていない。そのため、ソフトバンク端末は多くが動作未確認だ。
2015年5月以降に発売された、SIMロック解除ができる端末なら基本的にマイネオのDプランやAプランのSIMカードで使えるはず。だがしっかり動くかどうかは、確認されていない端末がほとんどだ。
ソフトバンクのiPhoneならバッチリ動作確認が行われているので、問題ない。
しかしAndroid端末を使い回すなら、ほぼ動作未確認なので要注意だ。もしかしたら、ちゃんとマイネオのSIMで使えないかもしれない。
通信ができてもテザリングはできないとか、通話はできないとか、なんらかの不具合がある可能性がある。ソフトバンクのAndroid端末をマイネオで使う場合は、ある程度の覚悟が必要だ。
au端末はVoLTEに対応しているかどうかで使えるSIMカードの種類が変わり、ちょっとわかりづらい
マイネオAプラン以外のUQ mobileやFiimoなども含めて、au回線を使っている格安SIMのSIMカードには、
・標準SIM
・マルチSIM(au VoLTE対応)
この2種類がある。
手持ちのauスマホを格安SIMで使い回す場合、その端末が高音質通話サービスの「VoLTE」に対応していないならSIMロックがかかった端末で標準SIMを使えばOKだ。
しかしVoLTEに対応しているとなるとSIMロックを解除し、マルチSIMで契約しなければいけない。同じau回線の格安SIMで使う場合も、SIMロック解除が必須になるのだ。
ただしiPhone 8シリーズについてはまた別で、SIMロックがかかったままでマルチSIMを契約することが必要になる。
このようにマイネオのAプランは、キャリアの端末を使い回す際のSIMカードやSIMロック解除に関するシステム周りががごちゃごちゃしていてわかりづらい。
ドコモ端末をDプランで使うなら簡単なのだが、auユーザーがマイネオのAプランに乗り換える場合はSIMカード選びなどがけっこう面倒だ。
マイネオはサポート面で、どうしてもキャリアに劣る
マイネオの3つ目のデメリット・注意点は、サポートに関するものだ。
マイネオはユーザーに対するサポートを充実させるよう、熱心に取り組んでいる。
例えばマイネオは、他のユーザーやマイネオスタッフに質問できるコミュニティサイト・マイネ王を展開している。
さらにマイネオは実店舗を日本全国に展開していて、店舗で端末販売だけでなく初期設定等のサポートも行っている。
しかしそれでも、ドコモ・au・ソフトバンクといったキャリアと比べてしまうとサポート面ではイマイチと言わざるを得ない。
マイネオの店舗数はあまり多くない
まず店舗数がイマイチ少ない。
マイネオの格安SIMや端末を取り扱っている店舗、初期設定サポートを行っている店舗は日本全国にある。
しかしマイネオが直接運営しているmineoショップは関東・関西・中部のごく一部。わずか6店舗だけだ。
店舗でできるのは、基本的に契約や初期設定関連のことのみ
マイネオの店舗では、mineoショップも含めて契約変更や解約、端末修理など契約後に行う手続きを受け付けていない。
できることは契約や初期設定など、マイネオへ乗り換えて使い始める一連の流れの中にある手続きだけだ。
店舗があったところでできるのは契約だけ。ショップに行けば基本的になんでもできるドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアに比べると、充実度はイマイチである。
また同じ格安SIMでも、Y!mobileならショップでプラン変更や機種変更、解約などを行える。店舗サービスの充実度のイマイチさは、マイネオのデメリットとして挙げられるだろう。
端末保証は基本的に電話対応
マイネオは持込端末とSIMカードとセット購入した端末向けに、端末保証サービスを展開している。それ自体はメリットとして挙げられるが、問題は修理受付の方法だ。
マイネオに限った話ではないのだが、端末が壊れたら専用の窓口に電話をかけることになる。お店に行って即修理を申し込み、代替機を借りる、ということはできない。
端末保証サービスの充実度・手軽さという面でも、ちょっとイマイチだ。
まとめ
今回は、マイネオのデメリットや注意点を解説した。
マイネオはあくまで「格安SIM」である。月額料金が安いことを考えると、今回挙げた通信速度の不安定さやサポート対応が不十分であることなどは妥当と言えば妥当だ。
しかし安さばかりに気を取られて契約すると、ガッカリしてしまう可能性がある。マイネオを契約するなら、今回挙げたデメリットに対して理解したうえで契約することが重要だ。
また通信速度などについて気になる場合は、すぐにドコモ等から乗り換えずに一度データ通信専用SIMで契約し、実際の速度を確かめてみることをおすすめする。
あるいはマイネオはいつでも0円で解約できるので、一度契約してみてイマイチだったらすぐ解約してしまうのも良いだろう。
ただし電話番号はそのままでマイネオから乗り換える場合は、契約の翌月から12ヶ月以内だとMNP転出手数料が12,420円(税込)ほどかかってしまうので要注意だ。